2017年9月25日、名古屋城天守閣復元工事に関するアカマツ資源調査のため、竹中工務店の方々が来訪された。
その後、県庁・東北森林管理局のご協力を得ながら、何度も岩手の山を案内して本県アカマツ資源の量を実感していただいた。
赤松が手に入らないとほかの樹種になったり、集成材になってしまう。そんなことになったら林業県を自負する岩手の面目もあったものではない。
中でも、大黒柱の上に乗る最大最長の梁は長さ17m、直径元口90cm末口64cmのほぼ直材である。外材でもやむなしとの話を聞いたが、シンボルともいえる梁を何とか岩手のアカマツで、できないものかと奥州市にある月山神社総代長大石さんに相談した。
「地域で守ってきた松なので、伐りたくはないが、松くい虫被害や台風で年々数が減っているのも事実。名古屋城天守閣のシンボルということなら、皆で前向きに検討します。」とのお話をいただいた。
まずは、設計に合う樹なのか大きさと形状を計測するため、2018年7月に㈱ウッドインフォさんにお願いして3次元レーザー計測し、そのデータを竹中工務店の今井さんに送った。
また、8月6日に立木に穴が開いていないか岩手県林業振興課のご協力をいただき、調査を実施。
9月28日には現地に竹中工務店、岩手県林業振興課、設計事務所、棟梁ほか関係者の方々にご参集いただいて、間違いない銘木とのお墨付きをいただいた。
設計画像の赤い梁がそれである。
その後、岩手県森連と月山神社との間で契約が成立。
11月14日には神事、11月19日に伐採作業が始まり、当日は県内外からたくさんの視察者があった。名古屋市からは川村市長をはじめ関係者の皆さんがおいでになり、寒い中でも参集者の熱気すら感じられる特別な一日であった。
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